でんきのあれこれ

交流の極性

直流(乾電池、バッテリーなど)は、プラス(+)極とマイナス(-)極が明確に決められており、電気器具につなぐとき、反対につなぐと、動かなかったり、逆回転したりします。
交流の場合は、ふだん、電気器具のプラグをコンセントに差し込むとき、極性を意識しなくても、どちらでも問題ありませんね。
でも、実は交流電源にも、「アース側(クール側ともいう)」と「ホット側」という極性があるのです。
変電所から送られてきた6600Vの電気は、柱上変圧器で100V(または200V)に下げて家庭に送られますが、もしこの変圧器の中のコイルの絶縁が悪くなると、高圧側(6600V)の電気が低圧側に暴れ出ることがあり、危険です。
このため、低圧側の片方の電線を大地につないであり(アース、接地)、もし、高圧側の電気が暴れ出ても、大地に逃がすしくみになっています。
この、大地につないである方がアース側、もう一方がホット側です。
アース側とホット側の線間電圧は100V、ホット側の対地電圧は100V、アース側の対地電圧は0Vです。
コンセントをよく見ると、二つの溝の縦の長さが違います。一般に、少し長い方がアース側、短い方がホット側です。

一般的な家電製品は電源プラグをコンセントに差し込む際はどちらの向きでも問題ありませんが、一部の機器では極性を意識して差し込む向きが決まっているものもあります。
また、オーディオ機器の製品によっては、電源コードの片方の線に社名や白線などのしるしを入れ、極性を合わせることを推奨しているものもあります。