漏電しゃ断器
漏電しゃ断器(漏電ブレーカー)って?
漏電しゃ断器(漏電ブレーカー)とは、漏電が発生した時に自動で電気をしゃ断する装置です。
電気回路の「行き」と「帰り」の電流のバランスを常に見ており、漏電などで一部の電気が外に逃げてしまうと、行きと帰りで電流の量の差が生じることから、それを感知して、感電事故や火災事故を防ぐために、電気回路から切り離す役割を持っています。
漏電しゃ断器はどんな場合に動作するの?
漏電しゃ断器は、漏電していて、かつ電気を通すものに接触している場合に動作します。
例えば、電気器具の内部で電気が漏れた場合でも、完全な絶縁物の上に置かれていれば、電流の通り道がないため漏電しゃ断器は反応しません。しかし、湿った床やコンクリートの場合、漏電しゃ断器が動作します。当然、人が触れた場合も、電気を通しやすい人体を通して大地に漏電電流が流れ(感電)、漏電しゃ断器が動作します。
人が触れた場合でも感電しないために、電気器具の金属ケースに「アース(接地)」をしておくと、漏れた電気が人の体を通る前に、安全な経路で大地に流れるようになります。また、アース線を繋ぐことで、さらに電気が流れやすいアース線により大きな漏電電流が流れることから、漏電しゃ断器が確実に働いて電気を遮断してくれるので、感電や火災の防止に効果的です。
ポイント
大地(地球)は導体
銅、アルミニウム、鉄などの金属は電気を大変よく通す良導体です。
反対に、陶磁器、ゴム、プラスチック、空気などは、電気を通さない絶縁体です。
大地(地球)は、金属ほどではありませんが、電気を通します。いわば、大きな電線と考えてもよいでしょう。
農場などで、シカやクマの侵入防止の電気柵があります。
これは、地上に張り巡らせた電線に電源のプラス極をつなぎ、マイナス極を地中にアースして(いわばマイナス側の電線につなぎ)電圧をかけておきます。
シカが寄ってきて鼻先が地上の電線に触れると大地と回路がつながり、感電ショックを受けて逃げます。
(電圧は数千Vですが、電流が微弱で瞬間的なショックになるよう作られているので、ケガはしません)