でんきのあれこれ

電気の専門用語

絶縁抵抗計

(1)目的

電気設備の機器や配線は、絶縁物で電気的に絶縁されています。もし、この絶縁が悪くなれば、漏れ電流が流れて感電や電気火災の危険が発生します。また、絶縁破壊によって電動機や照明器具などの故障や、通信回線等に誘導障害を生じさせることもあります。

そのため、電気設備の絶縁が良好な状態で維持されているかを測定することが必要であり、その際に用いられるものが絶縁抵抗計です。絶縁物に直流電圧を印加しそのときに流れる微小な電流を検出し絶縁抵抗値として表示します。絶縁抵抗計には測定電圧によって計測器が異なりますので、的確な機種の選定と正しい使用方法が重要です。

【絶縁抵抗計の主な使用例(JIS C 1302-2018解説)】

定格測定電圧 使用例 測定器種別
25V/50V 電話回線用機器、電話回線電路の絶縁測定 絶縁抵抗計
100V/125V 100V系の低電圧配電路及び機器の維持・管理 絶縁抵抗計
制御機器の絶縁測定
250V 200V系の低圧電路及び機器の維持・管理 絶縁抵抗計
500V 600V以下の低電圧配電路及び機器の維持・管理 絶縁抵抗計
600V以下の低電圧配電路の竣工時の検査
発電中の太陽電池アレイの絶縁測定 (P-N 端子間を短絡する方法)
発電中の太陽電池アレイの絶縁測定 (P-N 端子間を短絡しない方法) PV絶縁抵抗計
1000V 600Vを超える回路及び機器の絶縁測定 絶縁抵抗計
常時使用電圧の高い高電圧設備(例えば,高圧ケーブル,高電圧機器,高電圧を用いる通信機器及び電路)の絶縁測定
発電中の太陽電池アレイの絶縁測定 (P-N 端子間を短絡する方法)
発電中の太陽電池アレイの絶縁測定 (P-N 端子間を短絡しない方法) PV絶縁抵抗計

低圧絶縁抵抗計
(125V/250V/500V切替)

低圧絶縁抵抗測定(例)
 

高圧絶縁抵抗計
(1,000V/5,000V切替)

高圧絶縁抵抗測定(例)
 

(2)測定時の注意点

絶縁抵抗計は、回路が充電状態ではできないので必ず停電させてから測定します。
インバータの制御回路や電話交換機などのように、半導体素子を使用している電子回路に直接測定電圧を印加すると、それらの機器を損傷させる恐れがあります。その場合は、事前に半導体素子を含む電子回路を切り離してから測定します。
絶縁抵抗値は、測定時の天候や温度、湿度、汚損度により大きく左右されるので、それらを考慮した適否の判断が必要です。
絶縁抵抗計を保管する場合は、高温、多湿、振動の激しい場所は避けて保管します。
定期的に(6ヶ月に1回程度)絶縁抵抗計の校正を実施し、精度の確認を行います。

【低圧回路の判定基準(電気設備技術基準第58条)】

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
300V以下 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧)が150V以下の場合 0.1MΩ以上
その他の場合 0.2MΩ以上
300Vを超えるもの 0.4MΩ以上

【高圧回路の判定基準目安】

a.高圧機器(一括測定時の参考値)
 ・6kⅤ回路  6MΩ(雨天時1MΩ)(測定電圧6.6kⅤは5,000V)
 ・3kⅤ回路  3MΩ(雨天時1MΩ)(測定電圧3.3kⅤは1,000V)
b.高圧ケーブル(5,000V印加の参考値 高圧受電設備規程抜粋)

ケーブル部位 測定電圧 絶縁抵抗値 判定
絶縁体(RC) 5,000V 5,000MΩ以上
500 ~ 5,000MΩ未満 要注意
500MΩ未満 不良
シース(RS) 500Vまたは250V 1MΩ以上
1MΩ未満 不良

クランプ式電流計(クランプメータ)

(1)概要

電気設備の運転状況を把握するためには、電路や電気機器に流れている電流の測定が欠かせません。また、電気事故の防止のためには、漏れ電流の測定も必要になります。

本来、電流の測定は電流計を回路に直列接続する必要があり、回路の切離し作業などがあって非常に手間がかかる作業となります。それに対して、回路の切離しを行なわず、測定したい電線を挟み込むだけで電流の測定を行なうことが出来る測定器がクランプ式電流計(クランプメータ)です。                    

                                                                                                                                                                                                                                                    

左:クランプメータ(一般用)、 右:クランプメータ(大口径用)

 

(2)測定方法                              

①負荷電流

負荷電流を測定する場合は、測定したい電線1本(相)のみをクランプ部で挟み込むことで、挟んだ電線に流れている負荷電流が測定できます。

   負荷伝絵流の測定原理      負荷電流の測定状況        

 

②漏れ電流測定

漏れ電流を測定する場合は、電線を一括で挟み込むことで負荷電流が互いに打ち消され、漏れ電流だけを測定することができます。

なお、測定回路が単相回路の場合は電線2本を一括に、三相回路の場合は電線3本を一括挟み込むと測定できます(a,b)。

また、単相もしくは三相変圧器の2次側に施されているB主接地線を挟み込むことで変圧器から供給されているB主接地線を挟み込むことで変圧器から供給されている負荷設備全体の漏れ電流が測定できます。(c)。

漏れ電流の測定原理(三相回路の場合)

 

三相回路一括による漏れ電流測定状況 B種接地線による漏れ電流測定状況

 

常時監視システム

 保安管理業務における電気事故のなかで、特に発生ひん度の高い低圧電路の絶縁劣化による事故を未然に防止するため、低圧配線や電気機器の絶縁状況を常時監視する装置です。

 異常発生の際はその状況を双方向通信が可能な通信方式を利用して、協会の受信装置に伝送することにより、お客さまの手を煩わすことなく迅速な対応が図れるものです。

 また、保安管理業務の絶縁監視のみではなく、オプションで各種接点の入出力信号やアナログ信号の入力が可能なため、お客さまのニ-ズにあったご利用も可能です。

 

 

ポリ塩化ビフェニル(PCB)

 PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは工業的に合成された化合物で水に極めて溶けにくく、沸点が高いなどの性質を有する主に油状の物質です。熱で分解されにくく、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボンなど様々な用途に使用されてきました。

 しかし、PCBは毒性が強く脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な中毒症状を引き起こすことが報告されました。主な症状としては爪や口腔粘膜の色素沈着、爪の変形、また、まぶたや関節の腫れを引き起こし、肝臓障害や神経障害の恐れもあります。このことから昭和49年(1974年)には製造が禁止され新たな使用も禁止されています。

 PCB含有機器は平成13年(2001年)に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が制定され、PCB廃棄物として国が定める期限内に処理することが、事業者(保管事業者及び保有事業者)に義務づけられました。

 PCB廃棄物はPCB濃度により高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類され、それぞれの処理施設が異なります。また、北海道の場合、変圧器・コンデンサ類については平成34年(2022年)3月31日まで、それ以外の安定器・PCB汚染物等については平成35年(2023年)3月31日までと処理期限が決められています。

コンデンサ      変圧器 

 

 

電力需給用計器用変成器(VCT)

Voltage:電圧
Current:電流
Transformer:変成器

 それぞれの頭一文字を取って一般的にVCTと呼ばれています。大きな鉄箱の中にVT(計器用変圧器)、CT(変流器)と呼ばれる電気機器が納められ、これらから得た電圧と電流の情報をこのVCTと接続される電力量計により、電力量を計算し表示しています。この機器は高電圧を扱う事業場に設置されており、学校やコンビニなど身近な施設にも存在します。
 電力量計は高電圧・大電流を加えると破損してしまうため、VTでは高電圧を110V前後の低電圧に、CTでは定格電流として5Aの電流に変換しています。
 この電圧と電流により演算される電力や電力量は下記の計算で行われています。

 

 また、電気料金を算出する基となる機器でもあるため、その計量における精度は高く、法律の定めにより一定期間毎に検査を必要とする機器でもあります。検査を行う際には、設置した状態では出来ないことから停電を行い、同じ容量の機器に取り替え、定められた条件の中で検査を実施することとなります。

 テレビや冷蔵庫は普段の生活の中で日常的に使用する電化製品であり、消費電力も少ないのですが、長時間使用することで使用電力量は多くなってしまいます。反対に電子レンジやドライヤーなどの消費電力の多い電化製品は短時間でも使用電力量は多くなります。ほかにもホットプレートや炊飯器など熱を発生する電化製品も多くの消費電力を必要とします。

例1 テレビ(150W 5時間 使用の場合)
     150W×5時間=750W・h  → 0.75kW・h
例2 電子レンジ(1500W0.5時間 使用の場合)
        1500W×0.5時間)
     =750W・h  → 0.75 kW・h

 同じ電力量ですが、使用する時間に大きな差があることがわかります。