でんきのあれこれ

電気の専門用語

トップランナー変圧器

「トップランナー変圧器」とは、トップランナー基準をクリアした「高圧受配電用変圧器」のことです。
高圧受配電用変圧器は、2002年にトップランナー基準の対象機器として追加されたことにより、エネルギー消費効率の改善が進みました。

これまでに油入変圧器、モールド変圧器が第一次目標年度を迎えましたが、トップランナー基準の対象となる以前の製品に対して32.8%の改善が図られたと評価されています。
引き続き省エネ性能を向上させる必要があることから、2012年4月に新しい第二次判断基準が示され、2014年度を目標にさらにエネルギー消費効率12.512.5%の改善を見込むとされています。

logoなお、基準を達成した変圧器には、カタログや変圧器本体に統一デザインのロゴマーク(右)が表示されます。

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トップランナー制度

「トップランナー制度」とは、1998年の省エネ法改正により導入された電気製品や自動車など(特定エネルギー消費機器)の省エネルギー化を図るための制度です。高い基準(トップランナー基準)を設け、どの製品もその基準を目指すことで、革新的な技術の開発が可能とされています。

トップランナー制度による主な機器の効率改善の状況は次のとおりです。

●平均エネルギー消費効率の改善
・乗用自動車 48.8% (1995年度→2010年度)
(ガソリン車)
・電気冷蔵庫 43.0% (2005年度→2010年度)
・蛍光灯器具 35.7% (1997年度→2005年度)

word04対象となる機器は、2013年11月に三相誘導電動機と電球形LEDランプが追加され、現在、28機器となっており、目標年度に到達した機器については、トップランナー基準の見直しが行われることになっています。

変圧器

word07変圧器(トランス)は、その名前のとおり電圧を上下(変換)するために使用される機器です。

一般家庭では、電力会社から10 0Vまたは200Vの電圧で電気が送られてきますので、そのまま家電製品をコンセントに差して使用することができますが、事務所ビルや工場などは、6600Vの高い電圧で供給されるため、一度、変圧器で使用する機器の使用電圧に下げる必要があります。

変圧器の大きさ(容量)は、使用機器の容量の合計によって決められますが、使用する機器を増設するときには、変圧器の最大容量を超えないかどうか調べる必要があります。

変圧器は、絶縁体として油を入れた油入変圧器が一般的ですが、最近は、同じ油入変圧器でも電力損失の少ない高効率変圧器への関心が高まっています。

ブッシング

word08変圧器に高圧の電気を供給したり、電圧を変えた電気を取り出すための端子部分に使用される絶縁管のことをいいます。絶縁管は、通常、碍管(がいかん)と呼ばれ、磁器製のものや樹脂製のものがあり、管の中に電気を流すための導
体が貫通しています。

右の写真の左はエポキシ樹脂製のブッシングで、右の写真は変圧器の1次側、2次側に付けられた磁器製のブッシングです。

ブッシングがひだ状になっているのは、電気が表面を伝わって漏電し難くするため絶縁物の表面に沿った距離(沿面距離)を長くするための工夫です。

力率

word09ひと言で説明するのが難しい電気用語の代表ですが、漢字が意味するとおり電気の力がどれだけ有効に使われているかを表しているのが“力率”です。

電気ヒーターの場合、供給された電気エネルギーがすべて熱に変換され、力率は100%となります。
ところが、電動機の場合は、理屈はともあれ、“縁の下の力持ち”がいないと能力を発揮することができません。
この“縁の下の力持ち”が「無効電力」といわれ、電動機を動かす場合は、「無効電力」も一緒に供給する必要があります。
つまり、実際に消費する電力以上の電力が必要になるということです。

一方、電力会社の料金メニューには、「無効電力」を少なくし“力率”を高めることができたお客さまには、基本料金を割り引く“力率割引”があり、力率管理は電気料金を低減する上で重要な要素となります。